日本橋の「ますたに」で修行したと言う店主が雪が谷大塚で屋台として経営していた行列の出来る人気店。今年になって世田谷区中町、駒沢通り沿いに移転した。前からずっと行きたかったのになかなか行けずにいた店。今回初めて行ってみた。
念願の店に行く時はなんとも言えぬソワソワドキドキ感がある。行く途中の車の中では期待と不安がつのりいてもたってもいられない気持ちだった。
そして車通りもあまり多くない住宅地っぽい雰囲気の中に黒地に赤い龍の絵が描かれた名前も書いて無い店があった。ここかな???と思い近づいてみると入り口の前に小さな木の看板が立てかけてあり、そこに「スズキヤスオ」と書いてあった。(あとで良くみたら赤い龍の絵じゃなくて、赤っぽい狛犬の彫刻だった。)
行列覚悟であったが、店内に入ると数名の客がいるだけで、なんと全く待たずに席に着くことができた。しかも先客は皆すでにラーメンを啜っていたので、自分のラーメンもすぐに出てきた。これは嬉しい誤算。
目の前に出されたスープからは背脂の良い香りが立ちこめる。見るからに美味しそうだ。ここのスープは上から甘め、中間、辛めと言う3層のスープ構造になっている。食べ進むにつれ味の変化を楽しめると言う面白い物だ。なのでなるべくスープが混ざってしまわないようにして食べてみた。表面にびっしり浮いた背脂は嫌なしつこさもなく、甘味が十分に出ていてなるほど、これは美味しい。
麺は中細ストレートでつるつるとした食感でこれもまた美味しい。食べ進むにつれ確かに味が変わってくる。最後の最初の甘めのスープと次のしょっぱ目のスープの境目はあまり感じなかったが、最後の方の辛めのスープになると明らかに風味が変わる。若干ゆずの様な柑橘系っぽい香りも感じたがどうなんだろう。唐辛子が多めに入っていて、ピリリとしてくる。
味玉は芯まで火が通っているのに、全然固くなく、白身はまるで杏仁豆腐の様な柔らかな弾力がありとても美味しかった。
移転前の味を知らないので比較は出来ないが、行列店は伊達ではなく、かなり美味しいラーメンでした。
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