2005年7月にオープンした豚骨ラーメンのお店。ご主人は[なんでんかんでん]で3年間修行されたそうだ。
荻窪駅から歩いて10分弱。ちょいとアクセスの悪い立地にお店はあった。この日は雨でかなり寒かった。午後9時半。ちょうど店の前に着いたときに、ご主人が店前に出てきていたので、もう閉店してしまうのかと思ったが「まだやってますか?」と聞いたところ快く迎え入れてくれた。
注文したのはデフォルトの「ラーメン」。店内はそれほど強烈でないにしろ、豚骨臭が漂っている。期待できそうだ。
出てきたラーメンはドンブリこそ違えど、まさに[なんでんかんでん]のそれ。見るからに濃厚そうで、ブレの多い[なんでん]の調子の良い時の見た目だ。そして味の方も「おいしい時の」[なんでんかんでん]と言う感じ。かなり濃厚でおいしい。が、欲を言うならコクが足りない。甘みがほとんど感じられないのが残念なところ。あと、ほんの微妙だが豚骨の生臭さを感じる。これは他の豚骨ラーメンの店でもたまに感じる臭いで、時と場合によっては同じ店でも感じない事もある。味の薄さはカウンターのタレを投入すれば若干改善されるが、それとは別の甘みがやはり欲しい所。今後改善されていくかどうかに期待したい。
麺は都内の博多ラーメンの中ではやや太め。加水率は低いが、[田中商店]系のコシの強い物とは若干異なり、少しポソポソと切れる感がある。しかしスープとのコンビネーションは良く、十分満足のいく物。
具は博多ラーメンらしく非常に素朴。味玉子くらい追加したほうが良いかも。
全体的には「おいしい時」の[なんでんかんでん]とほぼ同じだと思う。立地を考えた場合、もう少しオリジナリティーがあった方が良いかもしれない。大塚の[ぼたん]が開店後1年と経たずに大繁盛店となったが、ここ[すだちや]はこのままでは多少難しいと思う。万人受けを狙うなら[田中商店]系の分かりやすいおいしさを取り入れもう少し洗練した方向に、逆に無骨路線で行くのなら他では食べられない思いっきりワイルドな味にしてしまった方が良いような気もする。ちょいとキビしめに書いたけど、個人的には好きな味なので長続きしてほしいところです。閉店時間が早いのが残念。
他に酒のつまみも多く、手羽先なんか非常に美味しかったです。
雨のせいか、お客さんは僕一人。おかげでご主人と気軽に話しをすることができて楽しく食事できました。
|