某有名ラーメンプロデューサー「渡辺樹庵」氏プロデュースによる「瞠(みはる)」です。
樹庵系は僕の好みとはちょっと違う方向ですが、間違いなく一定の水準を満たして来るのでまずハズレが無く、安心して食べることが出来ます。
お店は他の樹庵系と同じくオシャレなバー風の造り。カウンター席オンリーで、焼酎などが並び、女性客が一人で入店しても居心地の悪さは感じないでしょう。店員さんの女性も綺麗な人で、心なしかお客さんもお上品な人が多いような・・。チャラチャラした若造風の僕はちょっと浮いてる感じがしました。
バーっぽい雰囲気とは裏腹にお酒を飲んでいるお客さんは1人もいませんでした。メニューを確認し忘れてしまったんですが、お酒は飲めるんでしょうかねぇ。
注文したのはデフォルトのらーめんに味玉を追加した「味玉らーめん」。ノーマルで¥700と言う値段設定は若干高めです。博多ラーメンほどの素早さでは無いにしろ、ストレスを感じない程度の手際の良さで運ばれてきました。和歌山ラーメンの様な外見で、見るからに美味しそう。
スープは一口目は魚介の風味が支配的ですが飲み進むにつれだんだんと動物系のまろやかさが主張してきます。「渡なべ」とかなり良く似た方向ですが、こちらのほうがだいぶライト。「渡なべ」の様などっしりとした腰構えのヘビー級ではなく、軽やかに飛び回れるライトさがある感じ。トロミは押さえられていますが、それでもかなり濃厚な部類で、醤油、鰹、豚骨それぞれの風味が絶妙なバランスで1体感を醸し出しています。かなり大量の魚介系素材が使われているそうですが、魚介が苦手目な僕でも十分に美味しいと感じられる物です。思いっきり魚っぽい「渡なべ」よりもむしろこちらの方が洗練されたバランスに感じます。味付けはちょっと濃いめですが、最後まで飲みきれる限界くらいをピンポイントで狙った感じ。
麺は中太の加水率やや低めのストレート。デフォルトでも固めの設定で、歯ごたえが良く、ツルツルとしたのどごしも心地よいです。のどごしが良すぎて、良く噛まなくても飲み込めてしまう感じがしますが、ここは是非じっくりと噛みしめてスープとの一体感を楽しむべきでしょう。このスープと麺の組み合わせは急いで食べちゃもったいない。
そして具ですが、海苔1枚、ゴリゴリとした豪快な食感が楽しい極太メンマが3本、非常にジューシーで柔らかいチャーシューが1枚、嫌みにならない程度の最低限のアクセントとして添えられた九条ネギ。どこを取っても仕事の丁寧さと、バランスの良さが伺えます。
もう間違いなく美味しい。魚介+豚骨のお店は数多くあれど、これを超えるのはそうそう容易い事ではないんじゃないでしょうか。それほど好みのジャンルでは無くても十二分に楽しめます。強いて言うならもっと遅くまで営業してもらいたいなぁと言うことくらいです。
|