あの渡辺樹庵氏が二郎風のお店をプロデュースと言う面白いニュースを聞いたのは去年の夏でした。子安と言う聞き慣れない土地柄、あまり行く機会もなく宿題店となっていましたが、横浜に用事があったので行ってみるか！とついにこの時が来ました。子安の「らーめん天空」です。

横浜から京急本線で4駅ですが、かなり寂しい感じの町ですね。駅からすぐの15号線沿いにお店はありました。樹庵系の中では群を抜いてチェーン店っぽいプレハブチックな外見ですな。

入店してみるとお客はゼロ人。なんとなく哀愁漂う店主に韓流ドラマの古くさい映像がテレビから流れ、、、注文の前から切ない気分になってしまいます。

頼んだのはデフォルトの「らーめん」。かすかに二郎風の香りが漂っていますが、いわゆる「二郎臭」とまでは行かないレベル。他二郎の用に麺の茹で時間が普通のラーメン屋さんよりも長く感じます。

出てきたラーメンはかなり大きい丼に小奇麗にまとまった姿が印象的。濃いめの醤油スープの表面には細かい背脂が浮かび、特徴的な外見のチャーシューが2個、そして青々としたキャベツとモヤシが乗っています。

スープはかなり濃い味の醤油スープで、甘みも結構あります。豚骨の濃度はそれほど高くない様ですが、まろやかさもあり、普通においしくいただけます。背脂が多めで結構こってり感がありますね。

麺は二郎と比較すると細めですが、一般的には太麺と呼ばれる部類のもの。非常に固いゆで加減で、ゴワゴワとした食感は二郎のそれを思い出させます。

具の野菜はキャベツ、モヤシの割合が3:2くらい。シャキシャキした食感で、二郎の様にスープと一体化させて楽しむと言うよりは濃い味のスープの箸休めとして機能している感じです。そして「ブタ」にあたるチャーシューですが、これは肉厚で柔らかく、味付けの濃いめのものが2つ。なかなか食べ応えがあり600円でこれならお得感がありますね。カウンターにニンニククラッシャーが置いてあるのがうれしいところ。

個々のパーツは二郎っぽさを感じるのですが、全体的にみるとやっぱりこれはラーメン。そこに二郎テイストをアレンジしたと言った感じでしょうか。量も丼から想像するよりはずっと少なく感じます。

しかし樹庵っぽさはあまり感じないラーメンですね。今まで食べたことのある樹庵系では最も異端でしょう。美味しいのは間違いないですが、これと言って特徴的な感じもしないのが残念なところ。結局店を入ってから出るまで、他にお客さんが入ってきそうな気配すらなかったのも若干心配ですな。大丈夫でしょうかねぇ。。。？